レオ監

~エペル・フェルミエの場合~

「エペルくぅーん。ちょぉーっとお遣い頼まれてくんないかなぁ?」「おつかい、ですか?」「そーそー。お遣いのお駄賃にレオナさんが特別に練習付き合ってくれるらしいからさ〜」 いいですけど、とラギーサンに答えながら、少しだけイヤな予感がして掴んでい…

~リーチ兄弟の場合~

「ねぇジェイド〜、それって楽しい?」「おや、ついに興味を持っていただけましたか? フロイド」「そんなわけなくね? そ〜やってず〜っと写真をアルバムに貼ってるだけでもつまんなさそ〜なのに、山登りなんて一回すればもう充分じゃん」「おやおや……山…

明日の朝陽が拝めない

「いやもうコレ絶対終わらんて」ぼそ、と誰かの呟きが漏れる。作業の音だけが響く静寂が一気に動揺と困惑に塗り替えられて思わず大きく舌打ちをしてしまった。「……今言ったの誰」「ご、ごめん……俺、だわ……」「お前ェェェ……ちょっと公式の供給を浴びて…

僕は第二王子の鬣係

実物は、噂以上に綺麗だな、と思った。「……お前、名は?」宝石みたいにきらきらした黄緑色の目が僕を捉えて離さない。探るような視線に慌てて胸の合わせから名札代わりに使っているカードケースを引っ張り出す。首から下げたカードを王子に向かって差し出し…

~ルーク・ハントの場合~

「……やぁ、獅子の君。君がこの授業に出ているなんて珍しいね」教室の中段辺り。三人掛けの机の真ん中を一人で陣取る見慣れた後ろ姿。思わず音を立てずに近寄って彼の隣に腰掛けた。朝から数えて丁度三つ目の授業。トレイン先生の魔法史に彼が参加しているな…

~ハーツラビュル寮の場合~

「さて、何故僕に呼び出されたかわかるかい?」我が麗しの寮長がエーデュースちゃんたちを寮長室へ呼び出して穏やかに詰問している。詰問するのに穏やかも何もないかもしれないけど、見せしめみたいに談話室で詰問するんじゃなくて、オレとトレイ君に頼んでこ…

~エース・トラッポラの場合~

あんまりダラダラと走って他所の先輩を待たせるワケにはいかないし、適当に走ってレオナ先輩の元へ向かう。走りながら、俺の頭のなかは『俺、何かしたっけ?』とただそれだけがぐるぐると回っていた。「あのー……俺に何か用すか?」正直全くと言っていいほど…

~デュース・スペードの場合~

「二人ともお待たせ! グリムもごめんね!」中庭で待っていた俺たちの元へパタパタと駆け寄ってくるユウに片手を上げて返事をすると、エースがわざとらしく肩を竦めて唇を尖らせた。「もーちょー待ったー! 待ちくたびれてもう俺立てないー!」「ご、ゴメン…

~サバナクロー寮の場合~

「おいジャック。ちょっとツラ貸せ」ジャックと一緒に当番の仕事をこなしていると後ろから寮長の声がしてビクリと肩を震わせた。少し不機嫌な顔をしている寮長にヒェと小さく声を上げそうになるのを何とか堪えながらバッと頭を下げると、ジャックは返事もそこ…