明日の朝陽が拝めない

「いやもうコレ絶対終わらんて」
ぼそ、と誰かの呟きが漏れる。作業の音だけが響く静寂が一気に動揺と困惑に塗り替えられて思わず大きく舌打ちをしてしまった。
「……今言ったの誰」
「ご、ごめん……俺、だわ……」
「お前ェェェ……ちょっと公式の供給を浴びて正気失ってこい」
「えぇぇ、またァ?」
「またじゃないお前は狂い方が足りないんだこれは最高で天才の神本を産み出すために必要なことさぁ早くこの白い粉吸って!!!」
手に取ったブドウ糖を嫌がる男の口に突っ込み部屋から追い出す。わーわーと一瞬五月蝿くなった空間が、どよんとした暗さに包まれた限界原稿缶詰合宿部屋へと戻る。フゥー、と重い溜め息を吐いて中断していた原稿作業に戻った。
何故イベント前でもないのに僕は絶賛原稿中なのか。
答えは明解、イベントに関係なく本を作ることになったからだ。
僕がレオナ先輩と監督生くんの最高尊いこれは絶対歴史に残すべき映画製作委員会に参加する事になったのはつい先日のこと。所属する委員たちから寄せられるハッピーレオ監エピソードを片っ端から供給ありがとうございます公式さすが最大手と舐め回すように浴びていたら、コレちょっと一旦纏めた方がいいな、といつも使っている創作用のフォーマットに全てのエピソードを流し込んでいた。ヤバいヤバいコレ印刷したら何頁になるんだとニヤニヤしながら改めて最初から尊すぎる公式の供給を浴びていたら、なんか知らんけど俺もソレ欲しいと言い出す奴が現れた。仕方ないなぁと布教も兼ねて欲しい人間を集計していたら、これもう印刷所に頼んで本にした方が早くない? となった次第。
「……俺にも白い粉寄越せ」
「エッ、アッ、いっ、いくついきますか」
「……五つ。一気にキメる」
「……ど、どうぞ」
ザラザラと開封済みのブドウ糖タブレットを口の中へ放り込んだのはサバナクロー寮の先輩。アルゴがこの人めちゃくちゃ絵が上手いから! と連れてきたんだけど、絵を見た瞬間、荒くれ者の寄せ集めだと思っていたサバナクロー寮にこんな逸材が居たのかと速攻でスカウトしたし、可愛さあざとさ特盛MAXみんなの妹ポジション、おまけにドジっ子で抜けてるところもあって心配になるのにちゃんとしてるところはめちゃくちゃちゃんとしてるしっかり者という盛りに盛った属性てんこ盛り監督生くんの書ききれない魅力を全部ぎゅぎゅっと凝縮して、控えめに、かつ繊細に描写されたイラストは即座に保存した。しかもエッチな絵は描かないらしい。最高か。大きな身体をこれでもかと小さく丸めて机に向かう姿はとてもあの荒くれ揃いのサバナ生には見えないし、何ならあの身体に似合わない小さな机の上でこの瞬間にも神絵が生まれようとしていると想像するだけで両手を合わせて拝みたくなってくる。何卒腰に気を付けて末永く健康にお過ごしいただきたい。
「……先輩、58ページから86ページまでの最終チェック終わりました。僕も休憩もらっていいですか」
「了解。ありがと。おつかれ……何なら仮眠摂ってきていいよ」
「……じゃあちょっと寝てきます」
サーセン、とげっそりした顔でイグニから手伝いに来てくれていた後輩が音もなく部屋から出て行く。先週彼の原稿をサポートしたときよりひと回り痩せこけて見える背中を見送って、そういえば自分もほぼ寝ずにぶっ通しで編集作業に勤しんでいたなと思い至った。
「うわ、もうこんな時間」
タブレットの隅に表示された時刻を見て、視界がくらくらと揺れる。日付が更新され新しい時を刻んでいる無情さが自身に鋭く突き刺さる。
(……本当に間に合うのかな?)
つい、自分も弱気になってしまい、ブンブンと頭を振った。
間に合うか間に合わないかじゃない。間に合わせるんだ。その気合いで今までだって修羅場を乗り切ってきた。今回は即売会前の締切ではないとはいえ、同じように乗り切れるハズ。いや、乗り切ってみせる!
「……ちょっといいか」
残り三分の一ほどのエナジードリンクを煽って再び編集作業に勤しんでいると、我らの救世主神絵師パイセンが僕に声を掛けてきた。
「アッひゃ、あひ、ハイッ! 何でしょうッ!」
「……そんなビビんなよ。お前らからすればサバナは皆凶暴に見えるのかもしれねぇが、俺はただ身体がデカいだけだぜ」
ジ、と俺を見下ろすつぶらな目は真っ黒で、夜中だというのにギラリと光っている。
「はっ、えっ、そ、そんな、ビビってるワケじゃ……」
「まぁ獣人の血が濃いからな。お前より体格が良くてちょっと動けるってだけだぜ」
フン、と鳴らした鼻の先はツンと尖っている。先輩はサイの獣人と水辺の妖精のハーフで寮対抗マジフトでも鉄壁のディフェンスなんだぜ! とまるで自分ごとのように紹介してくれたアルゴの笑顔が脳裏に浮かぶ。なんでマジフト部に加入してないんだろう、と今はどうでもいいことがくるりと頭のなかを回って、いよいよ疲労が限界に近いのを感じた。
「なぁ、お前も休憩しねぇか? ずっとぶっ通しで作業してるだろ」
「へ?」
「粗方目処は立ってんだろ? ちょっと俺に付き合えよ」
「……んへぁ」
こわい。正直コワイ。怖すぎる。
ちょっと泣きそうになりながら何とかハイと答えて先輩に着いて行く。気分を害した覚えはないが、何かしてしまったんだろうか。これって校舎裏に呼び出されてシメられるってやつ、だよ、ね?
嗚呼、短い命だった。か弱い僕が大柄の男に迫られて逃げ切れるとは思えない。自分は怖くないと口にする人間が本当に怖くないなんてここナイトレイブンカレッジで有り得るわけがないんだ!
「……そんなトコ突っ立ってねぇでココ座れよ」
大きな身体をグンと伸ばしてから自身のそばを指差した先輩は、地べたに転がっていた細い棒を拾ってからどさりと石段に腰を降ろした。
どうやら僕は、校舎裏やら体育館裏やらマジフト場やらコロシアムに呼び出されているわけではないらしい。地面を大きな足で器用にならした先輩は、細い棒を使って何やらサラサラと描き始めた。あっという間に出来上がったレオナ先輩の横顔と、風に靡く立て髪が地面に広がって思わずウワァと感嘆の声を上げてしまう。なんで土に描いちゃうんだこれじゃあ残せないじゃないかと叫びそうになるのを堪えて、しっかりと目に焼き付けるように絵のそばにしゃがみ込んだ。
「……俺さ。母さんに似て、ガキの頃から綺麗なモンが好きでさ」
突然自語りを始めた先輩に慄きそうになりながらも、次々とレオナ先輩の横顔の周りが少女漫画風のふわ花で埋め尽くされていく様を見つめる。すっかり少女漫画のヒーローになってしまったレオナ先輩はあまりにもキャラ崩壊が過ぎると思ったけれど、監督生くんとのエピソードを思い返せばこのビジュアルが百点満点なのは満場一致。何も知らない奴が見れば、野性味溢れる魅力で群れを従えているレオナ先輩のほうが正しいと思うんだろうけど、ずっと壁から影からひっそりと見守り続けてきたレオナ先輩はただ性格が悪いだけでほぼ王子様と言っていい。そういう意味では、このイラストはレオナ先輩の肖像画としてピッタリだ。今すぐ国宝にすべきだし、何とか永久保存できる方法を考えたほうがいい。
「魔法が使えるってわかったときは嬉しかったし、母さんみたいにキラキラした魔法が使えるようになるのが楽しくてよ。ガキなりに母さんの真似事ばっかしてた。でもよ、俺ん家は代々水路工事で国を支えてきた家計でな……親父の仕事を否定するわけじゃねぇけど……どうせ親父の跡を継がなきゃなんねぇなら、魔法が使えたって意味ねぇって思ってた。でもよ、親父も母さんも有名な魔法師の学校なんだから行けってうるさくてな、仕方なく入学したんだ」
適当に勉強して卒業したら地元に戻るつもりでさ、と先輩は続ける。一旦満足したのか花を咲かせ終えて、更にその周りを取り囲むように今度は小さな妖精のようなミニキャラを配置し始めた。それが天使の格好をした監督生くんだと気付いて、貴方が神か、としゃがみ込む姿勢を崩して膝から崩れ落ちるしかなかった。この監督生くんをアクリルキーホルダーにして植物園で昼寝するレオナ先輩の周りに敷き詰めたい。それかチェキ風のクリアカードに印刷してこっそりレオナ先輩を隠し撮りしたい。何なら本物の監督生くんも一緒にツーショットできると最高。
はぁ〜……想像するだけでてぇてぇ。マジでてぇてぇ。
筆の迷いなんて一ミリもないというようにレオナ先輩を愛の力で囲う天使監督生ちゃんを最後まで描き終えて、ふぅー、と先輩は深い溜め息を吐いた。
「そしたらさ……入学して、出会っちまったんだよな。ここ一番の綺麗なモンによ」
グッと眉間に皺を寄せて、先輩は苦しそうに、それでも光悦とした表情で続けた。
「寮長はマジですごくて……一年の美術の課題で、俺は迷うことなく寮長を描いた。この世で一番美しいものなんて、あの人しかいねぇと思ってよ」
この学校の全員が通る一年生最後の美術の課題。
イマジネーションと表現力の基礎レベルを測るための『この世で一番美しいものを描く』という課題は、苦手だと言うやつもいるし、喜んで最高点を叩き出す生徒もたくさんいる。
「先公にも褒めてもらえて嬉しくて……そのとき……俺って絵を描くのが好きなんかもなーって何となく気付いたんだけどよ……そのせいでさ、見つかっちまったんだよ、ルークに」
僕もあの課題好きだったな〜と先輩の話に耳を傾けていたのに、急に不穏な空気が流れ始めて眉を寄せる。
「アイツ、マジでやべぇんだ。今でも夢に見ちまう。それから俺は絵を描かなくなった。ルークが怖くて」
情けねぇけどよ、と震えた声で言った先輩は、青褪めた表情で頭を抱えている。どこからどう見ても大柄の男が怯えた目で絶望を訴えて震えていた。え、そんなに? とつい言ってしまいそうになるけれど、相手はあのルーク・ハントだ。見た目に反して繊細な一面を持つこの先輩が、筆を折ってしまうような何かがあってもおかしくないと想像できる。あの人、僕らの寮でも出禁扱いだもんな……副寮長なのに。時期的にまだサバナに所属していた頃だろうから、想像を絶する何かがあったんだろう。詳しくは聞かない。確実に夢に見てしまいそうなので。
自分が実際にあの勢いに襲われたわけじゃないのにぶるりと震えてしまった身体をさすりながら、まだぷるぷると小動物のように震えている先輩の背中も一緒にさする。すると先輩は少し落ち着いてきたのか、ふぅー、と勢いよく溜息を吐いて、悪い、ありがとな、と呟いた。
「でも……お前のおかげで、俺はまたあの美しい人を描けた。オマケにあの人のいろんな面を引き出してくれる監督生も一緒に。俺はさ、絵を描くことしかできねぇけど、本当にあの二人がずっと一緒に笑い合って生きてってくれたらって思う」
お前のおかげだよ、本当にありがとうな。
先輩は繰り返しそう呟いて、ゆっくりと目を閉じた。
「高校生の想像する人生の幸せなんて、あの人からすりゃ所詮薄っぺらい夢みたいなモンなんだろうけどよ。あの人には、本当に幸せになってほしいよ」
俺には国を背負う責任とか想像すらできねぇもんなぁ、と苦笑いして先輩は眉尻を下げる。確かに、レオナ先輩はここで学生をやっているけれど間違いなく夕焼けの草原の第二王子で、由緒正しき家系の出身者が多いこの学園のなかでもその身分は飛び抜けている。それもあって何となく近寄りがたいと感じていたのも事実だ。そりゃあ、マレウス・ドラコニアに比べればまだ自分たちに近い存在である気はするけれど、それでも、未だにやっぱり住む世界が違うと感じるシーンを目の当たりにすることも多い。そんな相手にゼロ距離でぶつかっていく監督生くんがすごいと時々思ってしまうくらいに。でも、レオナ先輩もそんな監督生くんをあしらいつつも本気で嫌がってるわけじゃなくて、仔猫を転がして遊ぶように構っているように見えるのが、どうしてもイチャイチャしているようにしか見えないから僕らのような界隈が生まれてしまったわけだ。何処かの歴史書で読んだ『王様もただの人』というフレーズが今になってストンと腑に落ちる。我らが寮長のイデア先輩だって、言葉で言い尽くせないほどすごい人なのに、すごく僕らに近くて、優しい。
ふと、慕われる寮長、ってみんなこんな感じなのかもなぁ、と思った。
ガターンッ!
「うわ、なに、え? なにッ!?」
しんみりとした空気に突然飛び込んできた耳障りな音に肩が跳ねる。おそるおそる音の方へ顔を動かすと、さっき僕がブドウ糖を突っ込んで外へ放り出したはずの男が地面に突っ伏してした。
「ど、どうしたッ! ブドウ糖じゃ足りなかったか!? 命の前借りかッ?!」
あわててエナジードリンクを召喚しようとすると、彼はガッと俺の手を掴んで息も絶え絶えに呟いた。
「やばい……公式マジ供給過多……」
「は? え……?」
「見ちまった……オレ、見ちまったよ」
「え……何を……?」
「寮長が監督生の小鳥ちゃんに餌やり……どころじゃねぇんだよなアレはさぁッ!」
カッと目を見開いて叫んだと思ったらヒィヒィと咽び泣き始めた彼はサバナの寮生でいくつもの公式供給を運んできてくれる優秀なメンバーだ。ただ、文章を書くのも絵を描くのも苦手というサバナ生らしいところがあって、供給源としては大変有り難いんだけども本をつくる作業ではちょっと足を引っ張りがちで、その、まぁ、アルゴよりはちょっとだけ語彙力がマシなのでヨシ、というか。
「ずっと謎だったじゃん……寮長が何であんな古臭い魔導具使うんだろって……古いモンが好きって趣味にしては納得できねぇなって……」
「あぁ……あの、監督生くんとレオナ寮長の文通を運んでる伝説の黄色の小鳥」
実物が飛んでいるのを見ることができたらその日一日はハッピーに過ごせると噂され始めているその鳥は、オンボロ寮の片隅で見つかった古の魔導具だ。まだ伝書鳩で郵便を送っていたころ、伝書鳩に媒体を与えることで実際に動く使い魔として郵便を届ける仕事を担っていたらしい。使い切りとしても、定期郵便としても使えるから昔は重宝されていたらしいけれど、転移魔法陣が開発されたあとは殆ど使われることはなくなったと聞いている。伝書鳩の魔導具より転移魔法陣のほうが全体の消費魔力コストが少ないという単純な理由で使われなくなったわけだけれど、どうしてそんなにロートルな方法をレオナ先輩が取っているんだろうとメンバーのみんなは不思議だった。物凄く稀に、ご実家へ転送魔法陣でお手紙を送ったりしているらしいから、レオナ先輩なら自室とオンボロ寮を繋ぐ転送魔法陣を錬るのは恐らく容易だし、魔力がない監督生くんとのやり取りに魔力で維持する必要がある伝書鳩の魔導具を使うのはちょっと疑問だよなぁ、とメンバーたちとの報告会でもよく話題になっていた。監督生が使ってみたいとレオナ先輩にねだった、とか、レオナ先輩が物珍しくて使ってる、とかそんな感じできっと何か理由がある、と僕たちのなかでは結論付けていたけれど、本当の正解には誰ひとり辿り着けないままだった。
それが一体どうしたんだろう? と眉を寄せると、何かしら得てきたモノで喘いでいる息をふぅふぅと整えながら息も絶え絶えに彼は叫んだ。
「寮長、あの伝書鳩に自分の魔力喰わせてた……それだけじゃねぇ。ちゃんと次回も発動できるよう余分な魔力も喰わせて呪文も上書きしてんの。もうソレ別の魔導具になってっから!!!」
ジタバタ暴れて砂まみれになりながらウワーッと叫んでいる様はどこから見ても公式からの供給で溺れ死にかけているオタクだった。
「あの小鳥がどんどんツヤツヤでキラキラになってってんの、全部寮長が面倒見てるからだったんだぜ……監督生のためにさぁ……愛が重すぎんじゃん!」
確かに、最初は本当に小さくて、産まれたてのヒヨコみたいな鳥が空を飛んでいると話題になっていた。それがみるみるうちにしっかりした鳥になり、今では黄色というよりも黄金と言っていいくらい美しい鳥に成長していて、この学園のラッキーバードと化していた。やっぱり監督生くんの髪を媒体に使ったから黄色だったんだな、と答え合わせはできたけれど、今まで謎だった部分の答えまで一気に解決して僕も地面にへたり込むしかなかった。
魔力がない人間の媒体を用いて魔力を要する魔導具を発動させるというのは、一生その魔導具の面倒を見るということに等しい。つまり、それはもうプロポーズと同意……!
「やばい……もう結婚するしかないじゃん……」
はわわ、と口元を押さえて推しが尊すぎてもうむりのポーズを取る。
え、なに、レオナ先輩はプロポーズの証として伝書鳩の魔導具を使い始めたの?
俺がずっとコイツの面倒見てやるよ、お前も一緒にな? ってこと?!
やっぱり僕らが公式の供給まとめ本なんて作らなくても公式は公式だった。
公式だけが大正義で、僕たちを裏切るどころかむしろひとっ飛びで向こう側へ行っちゃってた。
そうだもうまとめ本なんかよりここに教会を建てよう。
それこそが僕らの本当の使命に違いない!
「先輩ッ!」
供給の余韻に浸っていた僕たちのところへ、休憩に行ったはずの後輩が飛び込んでくる。
「聞きました! 聞かせていただきましたッ!!! やります! やらせてください! 僕まだやれます!!!」
僕に纏めさせてください! と後輩はイグニに全く似合わない熱血っぷりで僕に迫った。
「だけど! 僕はまとめ本よりもういっそ式場を建てるほうがいいのかなって!」
「何言ってるんですか!」
後輩がメガネの奥を光らせて訴える。
「僕らが書いて残さなきゃ! 誰があの二人の生きた証を形にするんですかッ!!!」
魂の叫びと言っていい悲痛な声が響き渡る。地べたに突っ伏したままのアイツもウンウンと力強く頷いて泣いていた。先輩も静かに頷いて薄く明るみ始めた空を見つめている。
夜明け前独特の澄んだ空気が、僕たちのことを包んでいた。
「……そうだな。こんなてぇてぇを残したままじゃ……明日の朝陽が拝めない」
きらりと差し込むひと筋の光が、僕の背中をそっと押した。
「いけるか?」
「いけます!」
任せてください! と後輩は作業部屋へ走っていく。その後ろ姿を見て自らも作業部屋へ向かう。
「……俺は……あの小鳥のグッズ作ってみようかな」
「言い値で買います」
いい印刷所知ってるんであとでメッセします。期待してますよ、先輩。
胸踊る期待に興奮して身震いした。
さぁ、俺たちの修羅場はこれからだ!!!

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