事件は呆気なく解決した。
誘拐犯の中に精神感応系のエスパーが居なくて、オマケにレベルも4程度のサイコキノを筆頭に低レベルのエスパーばかり。私のサイコメトリーに抗う術は持ち合わせていないも同然だった。誘拐現場で透視した結果を皆本さんに伝えると、すぐに実動部隊とともに葵ちゃんが誘拐犯のアジトへとテレポート。薫ちゃんが現場を制圧して実動部隊が犯人を取り押さえ、無事人質救出。お昼になる前には解決してバベルに戻ってきていた。
「なんや、大捕物になるかと思ったけど、そうでもなかったな」
「もっと武装してるかと思ってたけど全然だったしね」
「透視も何のプロテクトも無くて手応え無かったわ。ホント、あっという間に終わっちゃった感じ」
「まぁまぁ、平和に終わったんだから良かったんじゃないか?三人はこのまま検査だろ?僕は皆本主任のところに行ってくるよ」
じゃあまたあとで、と松風くんは去っていった。その後ろ姿を見送ってから三人で検査室へと向かう。
「ねぇ紫穂?紫穂だけでも検査担当、賢木先生に戻して貰えば?」
「な、何よ、急に……」
「だってさぁ、その方がいろいろ都合いいんじゃない?」
「……?都合ってなんやのん?」
「葵ちゃんの前で止めてくれるっ!??先生は確かにあーだけど本当は真面目で誠実で……」
「あーハイハイ、惚気はまた後で聞くよ」
ニヤニヤと笑う薫ちゃんの背中を叩いて検査室へ入る。いつもの女性技師さんにお願いしまーすと三人で声を掛けて、検査を進めていった。
「でもさ、先生に検査お願いした方がいろいろ楽じゃん。慣れてるから仕事も早いし」
検査の終わった薫ちゃんが、私に向かってヒソヒソと声を掛けてくる。またその話題か、と思いつつも、ふぅ、と小さく息を吐いて答える。
「先生忙しいのよ。医者の本業に特務エスパーも兼任してるし、研究職としても仕事してるみたいだし」
「ふーん。オマケに紫穂とデートもしなきゃいけないから大変だね?」
「べ、別にしなきゃいけないわけじゃないもの。先生がしたいっていうから付き合ってるだけで……」
「そう言えば、今日もデートや言うとらんかった?」
検査を終えた葵ちゃんがこちらに歩み寄りながら声を掛けてくる。それに答えながら、私も検査台へと上がった。
「夕方からね。本当は放課後に会う予定だったけど、そもそも学校行けてないし」
「予定空くんやから、先生に連絡してはよ会えばええやん?」
「……今日は当直明けだからゆっくり休ませてあげたいのよ」
「愛だねぇ、愛」
「ですなぁ、薫ハン!」
「ちょっともう揶揄わないで!」
二人の冷やかしから逃れるように検査台に寝転んで検査を始めてもらう。淡々といつも通りの検査を済ませて二人の元へ戻ると未だにニヤニヤと私を見ていて。あんまりにも恥ずかしくて二人から逃れるように部屋を飛び出した。待って、と笑いながら声を掛けてくる二人に、待たない、と笑いながら廊下を掛けていく。キャッキャとじゃれ合いながら待機室へ戻ると、松風くんと皆本さんが部屋の中で待っていてくれた。
「検査終わったか?任務の報告は僕たちだけで済ませておいたから、もう帰っていいよ」
帰ってゆっくり休むといい、と微笑んだ皆本さんに、薫ちゃんが皆本さんの腕を取ってニヤニヤと告げる。
「皆本ー?紫穂はこれから賢木先生とデートなんだって!」
遊びに行こうとしてる悪い子がいまーす!と嬉しそうに報告する薫ちゃんに、カッと頬が熱くなる。それを特に気にした風でもなく、皆本さんは特に表情を変えずに言った。
「知ってるよ。夕方から会う約束してるんだろ?賢木から聞いてるよ」
ホントに、もう。いい加減、先生は皆本さんに何でも報告しちゃう癖を何とかしてほしい。
薫ちゃんはなんだ知ってたのか、と拍子抜けしたようで、つまんないの、と皆本さんの腕から離れた。私はさっきよりも赤くなった頬を抑えながら、皆本さんを窺い見ると、いつもの保護者の顔をした皆本さんと目が合った。
「任務明けで疲れてるんだから、夜遅くならないように。無理は禁物だぞ」
「……わかってるわ、皆本さん」
何だか恥ずかしくて顔を隠してしまいたい気持ちでいっぱいだ。何故かそんな私を皆が生温い目で見ている。
「ホンマ、あの先生がここまで紫穂と上手くいくとは思えへんかったわぁ」
「ホントホント。ダブルにトリプル、クアトロブッキングとかもあったもんね!」
「女癖が悪くて、ヘラヘラしてるからね、賢木は。紫穂と付き合うって言い出した時は本当に驚いたよ」
「確かに。僕もよく、ナンパの方法とか、未だにレクチャーされます」
僕はそういうのいいです、って断ってるんだけど、と頭を掻きながら呟いた松風くんに、皆本さんが哀れむような目線を向ける。
「もうアイツのキャラみたいなもんだから。大人になって受け入れてやってくれ……」
半ばうんざりした表情で、皆本さんは松風くんの肩を叩いた。そんな松風くんに、薫ちゃんと葵ちゃんもウンウンと頷いていて。
確かに、先生はそんなキャラだけど、私の前ではもっと違う一面もあって――なんて口にしようものなら薫ちゃんと葵ちゃんに弄られるのが目に見えている。もう何だかこの空気が居たたまれなくなってしまって、そっと待機室の扉を開けた。
「ね、もう行きましょ」
「おやおや?そんなに早く先生に会いたいの?」
「ちッ、違うわよ!先生と会うまでまだ時間あるもの!」
「そんなん言うて……押し掛けるつもりちゃうの?」
「し、しないわよそんなこと!」
ね、もういいでしょ、と待機室から飛び出すと、ドン、と誰かとぶつかった。
「あっぶね……大丈夫か?紫穂」
バランスを崩した私を支えるように抱き留めてそこに立っていたのは今の今まで話題になっていた先生だった。
「ごめんなさい、ありがと……」
体勢を立て直してそっと先生から離れると、どういたしまして、と優しく微笑む先生と目が合った。ふ、と首を傾げて私を見つめる先生にドキドキして、先生の服の裾を掴みながらそっぽを向いてしまう。すると、先生は更にふわりと笑ってポンと私の頭を撫でた。くすり、と笑う声が頭の上で聞こえて、何だか恥ずかしくて居心地が悪い。先生の服に皺が寄るくらいぎゅっと握り締めてから、先生からゆっくりと離れた。
「ねぇねぇ、いつまでそーやってんの?お二人さん?」
ハッとして顔を上げるとニヤニヤした薫ちゃんと葵ちゃんに目が合った。かぁぁ、とまた頬に熱が集中するのがわかる。思わず耐え切れなくて、両手で頬を覆った。
「賢木、お前休みじゃないのか?」
なんでここに居るんだ?と怪訝そうに皆本さんが続ける。それに、先生はくしゃりと笑って返した。
「紫穂ちゃん迎えに来たんだよ」
そろそろ検査も終わる頃かと思ってさ、と先生はごく自然に私の肩を抱いて。ふわぁぁぁ、とあまりの恥ずかしさに更に顔が赤くなっていく。そのさり気ない先生の動作に、待機室にいた全員が、少しだけ目を見開いて頬を染めていて。ほんの少し居心地の悪さを纏った空気を払うように、コホン、と咳払いをした皆本さんが、先生に向かって言った。
「お前、チルドレンに召集掛かってるの知ってたのか?」
メガネのブリッジを押さえながら皆本さんは先生を見遣ると、先生はクスリと笑って私の頭をするりと撫でた。
「当直明けのタイミングで、依頼が来てたのは俺の耳にも届いてたからな。俺が召集されないってことは紫穂が召集されたんだろうと思ってさ。チルドレンなら午前中には解決するだろうと予測したんだけど、ビンゴだったな」
三人ともお疲れさん、と笑う先生に、薫ちゃんも葵ちゃんも、ポッと頬を赤くして。
「そりゃもうウチらの手に掛かったら誘拐事件なんてチョロイチョロイ!」
「そうそう!まるで子犬のしっぽを掴む感じ!」
「薫、それを言うならまるで赤子の手を捻るよう、だ。……それにしても、そんな予想だけでよく時間ぴったりに迎えに来れたな」
皆本さんが不思議そうに先生に問い掛けると、先生はパチリ、とウインクをして、皆本さんに笑い掛けた。
「そりゃそうよ。大事な彼女のことだし?待たせるくらいなら待つつもりで動かねぇと」
小首を傾げながら笑っている先生は、私の肩をそっと抱き寄せてぎゅっと身を寄せた。きっと普通の人が先生と同じことをやってみせたら、正直引いてしまう自信がある。でも先生がやるからなのか、先生の立居振舞いにはイヤらしさなんてカケラもなくて、全てが様になっている。それこそ、憎らしいくらいに。
皆は、もう本当に目を大きく見開いて私たちのことを赤い顔で見ていた。ホント恥ずかしいからもうやめて欲しい。私の前でだけにしてってずっと言っているのに、どうしてか、わかってくれないのだ、この男は。首まで赤くなっているのを隠すように俯くと、んんッ、と空気を変えるように喉を鳴らした皆本さんがまた先生に問い掛けた。
「でも、当直明けだろ?寝てた方がいいんじゃないのか?」
至極当然の疑問にハッとして先生を見上げると、優しく笑う先生と目が合って。
「一旦家に帰って仮眠は取ったぜ?紫穂も任務で疲れてるだろうから、今日は一緒に俺の家でまったり休もうかなって」
だから迎えに来たんだ、とまるで当然だとでも言うように先生は皆本さんに答える。先生は私の頭をもう一度撫でて、ふ、と更に笑みを深めた。
「……じゃあ、今日はもうデートしなくていいじゃん。二人とも疲れてるんだし、家で休めば?」
先生の微笑みに見惚れていると、薫ちゃんがつかつかと歩み寄ってきて、私たちの空気を遮るように割って入った。きゅ、と私を抱き締める薫ちゃんはキッと先生を睨みつける。
「賢木先生、紫穂のこと独り占めしすぎ!たまには私たちにも返して!」
薫ちゃんの勢いに少しだけ後ろに身体を引いた先生は、一瞬だけ目を見開いて、それから困ったように笑ってみせた。そして、私の手をそっと取って指を絡める。
「どうしてもって言うなら、大人しくこのまま帰るけど。俺としては紫穂と一緒に過ごせると嬉しい」
首を傾げ、眉を寄せて目を細めながら先生は困ったように笑う。ダメかな?薫ちゃん、と甘えた声で問う先生に、薫ちゃんは顔を真っ赤にしてたじたじになってしまった。
「そ、そんなこと言って!部屋に連れ込んでエロいことするつもりなんでしょ?!」
何とか言い返した薫ちゃんに、先生はまたほんの少しだけ目を見開いてから、くしゃりと表情を緩めて笑った。
「俺が紫穂の嫌がることをするわけないだろ?」
まるでそれが当然で、何でわざわざそんなことを聞くんだ?とでも言いたげに先生は薫ちゃんに答えた。
ああ、もう。ホント止めて。皆が真っ赤な顔で私たちを見てる。漂う先生のオーラというかよくわからない雰囲気に飲まれてしまって、薫ちゃんの勢いも削がれてしまった。沈黙した薫ちゃんに、先生は不思議そうに首を傾げながら、薫ちゃん?と声を掛けている。
「う、うん。もういいよ。わかった。紫穂は先生に貸したげる……」
ゆるゆると私の拘束を解いた薫ちゃんは、額に手を当てながら私たちから離れていく。先生はそれに嬉しそうに笑ってみせて、ありがとな、と答えた。
「ああそうだ。紫穂の好きなチョコ、道中で買ってきたぜ。薫ちゃんと葵ちゃんにもお土産」
食うだろ?と手渡されたペーパーバッグは、確かに私のお気に入りのショコラブランドのもので。中には私がいつも食べているショコラだけじゃなく、他にも小さな包みが二つ入っていた。
「皆本と松風の分はねぇんだ。わりぃな」
「い、いや。僕はいいよ……」
しどろもどろになりながら答えた皆本さんに、松風くんもぶんぶんと縦に首を振って答えている。先生はもう一度、悪いな、と呟きながら、私の手を握る手にきゅっと力を込めた。
「と、言うわけで、迎えに来たんだけど。紫穂の時間を俺にくれる?」
私の手を持ち上げながら少しだけ身体を屈めた先生は、ちゅ、と私の指先にキスをした。上目遣いに私を見つめることも忘れずに。
「……センセ、私着替えたいから、先に車行ってて」
先生の手にきゅっと力を込めてからそっと先生の身体を押すと、先生はくすりと笑って名残惜しそうに手を離してくれて。
「……わかった。先行ってる」
ちゅ、と掠めるように私の頬にキスをした。
「も、人前で止めてって言ってる!」
「ごめんごめん。紫穂があんまりにも可愛くて」
じゃあまた後でな、と笑いながら去っていった先生の背中をふぅ、と息を吐いて見送る。キュッと目を閉じてから部屋の中へ視線を移すとそれはもう顔を赤くして居心地悪そうに視線を彷徨わせる四人が居て。薫ちゃんと葵ちゃんに先生が買ってきたショコラを押し付けながら、余りの居た堪れなさに顔を両手で覆った。
「……わ、私は!……時と場所をわきまえて、って、いつも言ってるのよ!」
ワッと顔を覆ったまま皆に向かって叫ぶ。だってこのまま沈黙が続くなんてどう考えたって耐えられない。先生を何とかこの場から離れさせたのはいいけれど、残された自分がこんな空気の中に居ることになるなんて想定していなかった。とにかくあの先生を何とかしたくて咄嗟に言葉が口をついて出たものの、あとのことを考えてないんじゃ全く意味がない。
「な、なんや……えらいもん見てしもたな……」
葵ちゃんが照れながら、垂れてきた髪を耳にかけつつ小さく呟いた。それをキッカケに薫ちゃんも堰を切ったように口を開いて。
「な、なに!?あの先生!?普段と別人じゃん!?」
顔を真っ赤にしたまま地団駄を踏んで叫ぶ薫ちゃんから目をそらすように顔を俯けて、ポツリ、と呟く。
「……だから、言ったじゃない。先生、本当は真面目で誠実なんだって」
「いやいや!あれは真面目とか誠実とかそういうんじゃないでしょ!!!」
「……ウチも違うと思うわ。紫穂。アレはただのイケメンや……」
「そう!それ!イケメンでオマケにタラシ!」
「……モテる男は何やっても様になるんだな……」
「いや、それは違うぞ松風。多分、賢木は別格だ」
好き勝手言ってくる皆の言葉を聞き流しながら、キュッと握り拳に力を込めて居たたまれない空気を振り払う。
「先生はッ!皆が思ってるような適当な人じゃないんだから!!!」
思いきり叫ぶと、全員が全員、生暖かい目で私を見ていて。その目に思わず後退りしながら、な、なによ、とたじたじに呟くと、何とも言えない笑みを浮かべた薫ちゃんがうんうんと頷きながら口を開いた。
「うん、充分わかったよ。紫穂。紫穂がとんでもない彼氏と付き合って苦労してるってこと、よぉーくわかった」
薫ちゃんのその言葉に、葵ちゃんは深々と頷いて、ホンマそれな、と訳知り顔で呟いた。皆本さんはそれに、確かにな、と顔をひきつらせながら頷いている。
「……僕もあれくらいできるようになればワンチャン」
「それはない」
目を輝かせていた松風くんに、皆本さんと葵ちゃんが即座に突っ込みを入れて撃沈させている。薫ちゃんはそれを不思議そうな顔で見ていた。
「とにかく!今日見た先生のことは皆忘れて!お願いッ」
半ば懇願するように叫びながら、居心地の悪い空気から逃れるように待機室を飛び出した。勢いそのままに先生が待っているであろう駐車場を目指す。先生の車を探すために立ち止まって辺りを見回すと、車のフロントガラス越しに手を振る先生と目が合って。そこでやっと着替えると言っていたのにそのまま出てきてしまったことに気付いた。でもきっと、先生はそのことに気付いたとしても指摘しない。私にはとことん甘いから。ふぅ、と一呼吸置いてから先生の車へと歩いていく。助手席側のドアに辿り着いた時、中から先生が身を乗り出してタイミングよくドアを開けてくれた。
「……アリガト」
「どういたしまして」
助手席に身体を滑り込ませると、紫穂、と先生に腕を優しく引かれて。バランスを崩した身体を抱き止めながら、甘えるようなふんわりとしたキスが降りてきた。
「……やっと二人きり」
ふ、と至近距離で甘い雰囲気を醸し出す先生に流されてしまいそうだけど、今日こそはこのふわふわした空気に飲まれずにちゃんと先生に言わないといけない。もう一度キスしてこようとする先生をぐっと押し返して何とか踏みとどまった。
「ねぇセンセ」
「なに?」
ん?とこれでもかとふんわり優しく笑う先生から目を背けて何とか告げる。
「……カッコいいのは程々にして」
か細い声になってしまったけれど、この際仕方がない。どんな風でも、まずは伝えることが大切、よね?
「……」
私の呟きに黙ってしまった先生を、チラリと窺い見ると、驚いたように目を見開いた先生と目が合った。でもすぐに先生は表情を和らげて、そろりと私の頬を撫でる。
「……そんな可愛いこと言われたら、どうしたらいいのかわかんなくなる」
嬉しそうに微笑んだ先生は、両手で私の顔を包み込むように撫でてから、私の額に口付けを落とした。
「紫穂にカッコいいって言われたら、俺、もっと頑張っちゃうよ?」
コツリ、と額を合わせて笑う先生に、うっとりしそうになりながら、ふるふると首を振って抵抗する。
「もう充分よ。これ以上皆にからかわれたくないの」
先生の腕をキュッと掴んでキッと睨みつける。今度こそ、ちゃんとわかってもらわなければ、これから本当に居たたまれない。
先生は、うーんと首を傾げながら私を見つめ返して言った。
「周りなんてほっとけよ。俺は紫穂にとって一番カッコいい自分でいたいだけだぜ?」
ちゅ、と掠めるように唇を奪われてまた顔が真っ赤になる。その私が困っているのだ。少しくらい私の話を聞いてくれたっていいのに!
「それとも……紫穂はこんな俺はイヤ?」
キュ、と眉を寄せて、先生は取って置きの色気を振り撒いて私に笑い掛ける。
「だ、からッ……」
「……?だから?」
ん?と一際甘い声で囁き掛ける先生に背筋がふるりと震えるけれど、何とか言葉を紡ぐ。
「そっ、そういうのはッ……」
「……そういうのは?」
不思議そうに首を傾げる先生に、思いきり叫んだ。
「私の前でだけにしてッ!」
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