届きそうで届かない何かがあった。俺達の間柄は間違いなく親友以上で、お互いに欠かせない存在だったのに。お互いに触れたくても触れられない何かが確かに存在していた。それが何か、というのは非常に形容しがたくて、上手く説明できた試しがない。ただ、間違いなくそれは確かに存在していた。
「なぁ、皆本?いい加減、薫ちゃんに向き合ってやれよ」
俺の言葉に、皆本がピクリと肩を震わせる。ゆっくりと俺に向き直る皆本は、俺に目線を合わせてはくれなくて。
「…薫とは、そういうんじゃないって言ってるだろ」
俯き加減に瞬く皆本は、どこか隠し事をするように俺から顔をそらしていて。もう、いいんだ、皆本。俺達、ずっとお互いの間にある何かから目を背けてやってきたじゃん。その間に、別の何かを見つけちまったってだけの話だ。自業自得ってやつだと思うんだ。ちゃんと真剣に向き合えば、俺達の間にある何かに答えを見出だせかもしれないのに。いや、今更だな。俺は、お前の背中を押し続けるよ。
「またまたぁ…ちゃんと薫ちゃん捕まえとかねぇと、松風に持ってかれるぞ」
多分、俺は俺たちの間にある何かが何だったのか、気付いてる。それを見ないフリしてた罰だ。皆本、お前にちゃんと向き合わなかった俺を、どうか許さないでくれ。
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