サンデー2019年29号の補完みたいな - 4/4

「皆本、周囲を警戒しろ」
「どうした?賢木」
「国籍不明の潜水艦が浮上して、すぐに潜った」
「…パンドラか?」
「わからん。が、可能性は高いな」
「わかった。引続き警戒を続けてくれ」

遂に来たか、と思った。
お前を支えてここまで向かってきたけれど、遂に、この日を迎えたか、と。
頭ではわかっちゃいたが、いざ、現実となると、こうも重くのし掛かるとは。
ふぅ、と溜め息を吐きながらレーダーのチェックを続ける。
皆本のため、とドロシーの強化を手伝ってきた。
それが、遂に形となってしまうのか。
皆本のため、とはいえ、紫穂を裏切るような真似をして、感情が波打たないわけがなかった。
皆本の洗脳を解くため、とただひたすら皆本だけを見て、考えないようにして自分を誤魔化して。
いざ、今になって、本当にこれで良かったのか、これが本当に最良の選択だったのかと不安になってやがる。
しっかりしろ、賢木修二。
俺の目的は皆本の洗脳を解くことだ。
彼女なら、紫穂ならきっと大丈夫だ。
他のチルドレンたちも、きっとうまくやるはずだ。
ああ、どうか。無事でいてくれ。

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