君を感じさせてよ

僕は賢木と違って経験豊富じゃないから、と正直そういうことは避けていた部分がある。だって、嫌じゃないか。思いのままに欲望をぶつけて、傷付けてしまったら。僕のことを大事に思ってくれてる君だから、僕だって君を大事にしたい。何より、僕達は男同士。元からがそういう風には出来ていない。それでも、僕だって男だから、君を抱きたいという欲望を捨てきれなくて。キスはどうしても深いものになるし、君の甘えた表情や蕩けた顔に下半身が疼いてしまう。欲望に負けて、キスをしながら君の身体を撫で回して。はふ、と甘い吐息を溢す君を欲望のまま貪るようなキスをする。

「…みな、もと……」

色っぽく目尻に涙を浮かべた君に、思わずごくりと喉が鳴る。

「さかき…」

薄いのに柔らかい唇に、吸い付くようなキスを落とす。

「……抱いてくれよ、皆本」

上がった息で肩を揺らしながら、掠れた声で賢木は呟いた。どくり、と全身の血が沸騰する。もう我慢なんてできない。

「…泣かせたら、ごめん」

ちゅ、とキスをしながらシャツのボタンを外して肩からはだけさせた。鍛えられて締まった身体が露になって、舐めるように見てしまう。照れたように頬を染めて目をそらす賢木が可愛くて、首もとにそっと口付けた。ん、と上がった甘い声に気をよくして、そのままぺろりと首筋を舐める。

「はッ…気持ちいいよ…みなもと…」

そっと頭を撫でられて、ぞくり、と背筋に電気が走った。

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