三年目の浮気。 - 1/4

私の心のなかには、三人の人が住んでいる。

一人目は、もちろん、薫ちゃん。

小さい頃の私は、本当に薫ちゃんを中心に世界がくるくると廻っていて、薫ちゃんが私の絶対的存在だった。

薫ちゃんのためなら何だってできるし、何処へだって行けた。

薫ちゃんが男の子なら、きっと恋をしていたと思う。

それくらい、薫ちゃんのことをずっと見ていた。

私にとって、何にも代え難い、大切な人。

二人目は、皆本さん。

私の力に臆することなく、私に触れて、私の壁を壊した人。

そして、淡い初恋の相手。

チルドレンの三人で、取り合いみたいなことをしていたのが懐かしい。

私の想いはただの憧れで、薫ちゃんの抱えてる想いとは違うんだと、割と早い段階で気付いてしまって、それからはずっと薫ちゃんと上手くいきますようにと願ってきた。

ただ、恋は終わっても、私にとって重大な切欠をくれた人には違いない。

ずっとずっと大切な人。

私の中は、この二人で占められていて、絶対に揺るがない。

それが一生続くものなのだと思ってた。

そこに、三人目が現れた。

その人は、自然と、いつの間にか、私のなかに居て。

気がつけば、大きい存在になっている。

最近、薫ちゃんと皆本さんが遂に結ばれた。

私の大切な二人が幸せになって、私は幸せを祈ってたはずなのに、何故か同時に喪失感も感じてて。

心から幸せを喜んでいる自分と、寂しいと感じている自分。

最近の私はそんな二人の自分が内に巣食っていて、少し自分をコントロールできなくなっている。

こんなことじゃいけないのに。

正直言って、自分を完全に持て余してしまっている。

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