ソファに座って二人仲良く買ってきたケーキを食べるティータイム。クリームたっぷりの苺のショートケーキ。苺にフォークを刺して頬張ると、先生に先に食べちまったら楽しみが無くなるだろ、と突っ込まれて。そしたら先生の苺貰うからいいの、なんて言いながら笑うと、ジャイアンかよ、とまた突っ込まれて。
「クリーム、さっぱりしてていくらでもイケちゃう」
もぐもぐとスポンジ生地を咀嚼して、ひと口紅茶を口に含む。スポンジの間にもたくさん苺は入っていて、充分満足したけれど、先生のケーキに残った苺を見ていると、やっぱり欲しくなってきて。じーっと苺を見つめていると、先生がくしゃりと眉を寄せて笑った。
「お姫様の為に、残しといたんだよ」
ホレ、とフォークに刺した苺にたっぷりのクリームを載せて、先生があーんと口許に苺を運んでくれる。大人しく目を閉じ、あーんと口を開けて待っていると、くすりと先生の笑い声が聞こえて。ぺとり、と鼻にクリームを付けられた。
「なにするっ!」
「黙って」
先生が私の肩を掴んでぺろりと鼻を舐める。ぎょっとして目を見開くと、にやりと笑う先生と目が合って。
「こんなことする俺は嫌い?」
ふ、と耳元で囁かれて身体が震える。苺に残ったクリームをまたぺとりと頬に塗られて、熱い舌が、頬を伝う。クリームの冷たさと先生の舌の熱さのギャップに、ぶるりと震えが止まらない。唇に苺を押し付けられて、何とか苺を口に含むと、先生がかしゃんとフォークをケーキの皿に置いて私を押し倒した。そのまま、まだ苺を含んだ唇を味わうように甘えるようにキスをしてきて。ちゅ、と音を立てながら、ゆっくりと離れた。
「……こんなことする、俺は嫌い?」
ちゅ、ともう一度頬にキスされて、髪をひと房掬われる。そこにもキスをひとつ落とされて、蕩けるような熱っぽい目で見つめられた。
「…嫌い、じゃないわ」
私の膝を割って身体を割り込ませた先生に、すりり、と脚を摺り寄せた。きゅう、と先生の首に腕を絡めて抱きつくと、苦しいくらいにぎゅうと抱き締め返されて。
「顔、トロトロだぜ?」
「……言わないで」
ちゅ、ちゅ、と頬にキスを落とされて、ソファに二人、深く沈んだ。
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