モナーク王国はいいところだ。ずっと住みてぇなぁと賢木は呟いた。そういう訳にもいかないだろ、と皆本は部屋の電気を消そうとスイッチに手を伸ばす。明日も早い。仕事で来てるんだから。早く寝ようと声を掛けて二人して寝る体勢に入る。ぱちり、と部屋が暗くなって、沈黙が部屋を支配した。ふと、賢木が、兵部ってマジでロリコンなんかな?と呟いた。どうした急に、と問い掛けると、あの小さい黒い髪の子といい、薫ちゃんといい、小さい子に執着しすぎじゃね?と。確かにそうだが、それはエスパーだからであって幼女趣味とは違うのでは。だがしかしエスパーだからと言ってあそこまで幼女に執着するのもどうなんだ?だが、彼は積極的にエスパーの子どもを保護しているところがあるし。考え出したら止まらなかった。お前がさ、ロリコン趣味なのは知ってっけどと身体を起こして喋り始めた賢木に対して、反論するべく皆本も身体を起こす。僕はロリコンじゃない!彼女たちの面倒を見てるだけだ!皆本の叫び声が空しく響く。まぁ、確かに、たまたま好きになった子がかなり年下だったってだけか、と賢木。僕のは好きとかそういうんじゃない!と皆本は再び叫んだ。そんな皆本を無視して賢木は考えた。じゃあロリコンの定義ってなんだ?たまたま好きになった子がかなりの年下だったら、ロリコンに定義されるのか?そんなの堪ったもんじゃない。幼女に手を出すのは間違いなくロリコンだ。だがしかし、そこに愛があれば?はたしてそれはロリコンなのか?いや、手を出す時点でアウトだろう。倫理的に考えて。と皆本が突っ込む。でも考えてみろ。相手を大事にして手を出さない。愛情は掛ける。そして他の女には見向きもしない。それってただのプラトニックな恋愛じゃないか。じゃあロリコンってなんだ?と改めて賢木は問うた。一瞬の間を置いて、確かに興味深い問題だな、と皆本。まずは幼女の定義から整理する必要がある、と紙とペンを取り出して、向き合う二人。お互いに書き出した年齢の差に驚いて再び議論が始まった。いや、その年齢はないだろう。いやいや幼女と少女は別物だし更に言うと女の子と女性も別物だ。もっと言うと女子ってものも存在する。じゃあそこの定義からハッキリさせよう。さらさらと種別を書き分けてマインドマップを書き込んでいく。どうやら研究者の夜は長くなりそうだ。そして夜が更けていく。
実に興味深い問題だな - 2/2
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