触っているのは何処でしょう?

すべすべでもっちりしてむにむにしてやわらかい。指先でぷにぷにと弄べば弾力が指を跳ね返して一生触っていられる。オーバーワークで疲弊しきった心と身体は自然とその感触を求めてうにうにと手を動かしてしまう。あ”ぁぁ…と深く溜め息を吐きながら目を閉じて指先の感覚に集中すると、ぷくりとそれが膨れて俺の指を跳ね返した。

「……ちょっと、触りすぎ!」
「あー……ごめん。でもさぁ、すげぇ柔らかくて気持ちいいんだもん」
「……じゃあ私も触る……それでお相子でしょ?」
「え……俺のは硬くないか?」
「私が触りたいって言ってるんだから大人しく差し出しなさい?」
「……畏まりました」
「フフ……よろしい……あら、意外と硬くないのね?」
「そうかぁ?」
「思ってたより張りがあるわ。もう三十路過ぎなのに」
「最後のひと言は余計だ」
「ウフ……でも、これで触りあいっこね?」

綻ぶような笑顔に見つめられて、俺は堪らずこれまた柔らかい唇に吸い付いた。

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