「みんなおはよう」
出勤してすぐ医局に顔を出すと、いつもなら当たり前に帰ってくる挨拶が帰ってこない。それどころか一瞬で空気が張りつめて、普段にないざわめきが起こった。
「……おはようございます、賢木部長。今日は早いですね」
疲労と緊張で顔を引き攣らせた藍田くんが、場を納めるように先頭に立って話し始める。明らかに限界が近い顔色の悪さに眉を寄せながら、早く目的を済ませてしまおうと医局のなかを見渡した。
「あぁ、ちょっとな。それより間島くんは?」
「アッ、間島くん! えーっと……その、まぁ、まだ、ですね……」
「は? まだってどういうことだ?」
「すみません、とにかく部長は執務室に避難しててください!」
「ハァ? なんで避難しなきゃなんねぇんだよ」
「どうしてもなんです! 事情はちゃんと全部お話しますから!」
お願いします! と懇願しつつ俺の背中を押して医局から追い出そうとしている藍田くんに抵抗していると、廊下の向こうからよく目に馴染んだ紫色の髪と、資料で見ていた通りの男が並んでこちらに歩いてきた。
なんでここに居る?
休養はどうした?
なんでまだ白衣着て普通に仕事してますって態度なんだよ?
次から次へと湧いてくる疑問に口をはくはくさせていると、俺に気付いた紫穂ちゃんが大きく目を見開いて足を止めた。そしてそのまま男の腕を掴んで引き返そうとしている。でもそれは叶わず、勢いに負けた紫穂ちゃんの身体が大きくぐらりと傾いだ。
「紫穂ッ!」
ほとんど反射的に藍田くんの腕を振り切って俺は走り出していた。何とか紫穂ちゃんが廊下で臥せる前に間に合ってその身体を抱き留める。驚くほど軽い身体に震えながら目を閉じたままぐったりしている紫穂ちゃんを呼び起こした。
「紫穂! おい、しっかりしろ! 誰か! どこか空いてる部屋!」
「仮眠室Cが空いてます! 紫穂先生、しっかり!」
「俺が診る! 道を空けてくれ!」
倒れた紫穂ちゃんに気付いて集まり始めていたスタッフに叫びながら紫穂ちゃんを横抱きにして抱え上げる。反応が返ってこない紫穂ちゃんを透視しつつ立ち上がると、じっとこちらを見ている視線に気付いた。その視線に目を向けると、この状況でも驚くほど淡々とした顔で冷静な男がそこにいた。眉ひとつ動かさない無表情を浮かべてこちらを見ていたその男と一瞬ぴたりと視線が重なる。ぞくりと寒気にも似た感覚が背筋に走って、イヤに眼鏡が似合う好青年が俺の顔を見て微笑んだ。
「……君が、間島くんか」
なんでこんな状況で笑ってんだよ、と口をついて出てしまいそうになるのを呑み込んで無理矢理冷静さを装う。隠しきれない冷たさや怒りが滲み出ているだろうけど、コイツの笑顔を見ているとどうしようもなかった。
「……お会いできて光栄です。賢木先生」
人好きのしそうな笑顔を更に穏やかなものに変化させて間島は首をゆるく傾げてみせる。違和感すら感じるその穏やかさに眉を寄せて、努めて感情を乗せないよう淡々と続ける。
「……あとで少し話がある。退勤時間なのはわかってるが残ってくれないか。悪いな」
「いえ、お気になさらないでください。私も貴方と話がしたいとずっと思っていたんです」
目尻に皺を寄せて微笑んだ間島の顔に、初めて本性のようなものを感じて身構えた。
「あのッ! その話し合いッ! 僕も参加しますねッ! 会議室押さえておくんでッ! 部長は紫穂先生をよろしくお願いしますッ!」
突然慌てたように大きな声を上げて藍田くんが俺と間島の間に割って入る。そしてそのまま一瞬の間も与えずに間島の腕を無理矢理引っ張って会議室へと向かっていった。嵐のように去ってしまった二人に呆気に取られつつも、ナースたちの俺を呼ぶ声にハッとして急いで仮眠室へと向かう。
軽く透視しただけでもわかる過労、そして貧血。オマケに睡眠不足も続いているらしい。
全く俺の話を聞くつもりはないらしい、と溜め息を吐きながらできるだけ冷静に点滴やらの処置を続けた。
「……目を覚ますまでここで寝かせてやってくれ。定期的に観察も頼む。起きたらタクシー呼んで無理矢理でもいいから帰らせるように。抵抗したら皆本を呼ぶからすぐに連絡して」
あとは頼む、とナースたちに任せて会議室へと足を向けた。
帰って休めと俺から言っても、素直に聞く耳を持たないだろう。ただでさえ普段から俺の言うことはちっとも聞きやしないのに、こんな状態になってまで休めというただひとつのことすら守ってもらえないとは思わなかった。
アイツにとって、俺はそれくらい軽い存在なんだろうな。
そりゃ、皆本や薫ちゃんたちには負けるだろうけど、俺とだって付き合いは長いだろう?
そう思ってたのは俺だけだったのか?
はぁぁぁ、と気が重くなる溜め息を吐きつつ、一旦足を止めて皆本に念のための連絡を入れる。前以て伝えておいた方が、いざという時に皆本も動きやすいだろう。
メッセージの送信を終えたスマホを白衣のポケットに放り込んでそのまま沈んでしまいそうな気分を振り払うように前へ進んだ。
「……悪い、待たせたな」
スマホに通知されていた会議室へ入ると、険しい顔をした藍田くんと相変わらず気持ち悪いくらい穏やかな表情を浮かべた間島が机を挟んで向かい合う形で座っていた。藍田くんの隣のパイプ椅子を引いて腰掛けると、しつこいくらいにこやかな顔で間島が俺を見つめていた。
「……部長、先に僕から話してもいいですか」
俺が口を開く前に軽く挙手した藍田くんが難しい顔をして間島を睨みつけている。間島は先に話す権利を藍田くんに譲ったのか、藍田くんの鬼気迫る様子にも動じる様子を全く見せず、ほんの少しだけ苦笑いを浮かべて肩を竦めていた。
「えっと、まずは謝罪します。僕の力では紫穂先生の暴走を止められませんでした。帰宅命令は出したんですが聞き入れてもらえてません。申し訳ありません」
席を立った藍田くんは俺に向き合ってガバリと頭を下げる。慌ててそれを止めさせて座るように促すと、藍田くんはもう一度、本当に申し訳ありません、と呟いた。
「……それは……俺が言っても、聞かなかっただろうから。アイツには別に時間を設けてちゃんと話をするつもりだ」
「その際は僕も同席させてください。こんなことになるまでどうにもできなかったのは俺にも責任があります」
「いや、でもさ」
「……紫穂先生の暴走は、ご察しの通り間島くんとの軋轢から発展してます。彼は実に巧妙なやり方で僕たちを振り回した」
穏やかな藍田くんが珍しく怒りを露わにしたキッと鋭い顔で間島と真正面から向き合う。
「間島くんは目的を達成するために、紫穂先生を潰そうとした。そうだよね?」
問い掛けられた間島は少しだけ眉を寄せて、また穏やかに微笑んだ。
「潰すだなんて……随分物騒な言い方をされますね。僕はただ、ここで学べることは全て学びたいと行動していただけですから」
「ちょ、ちょっと待て。なんでそんなに穏やかじゃない話が出てくるんだ? 紫穂を潰すってどういうことだよ」
藍田くんから発せられた内容も、それを穏やかに受け流している間島の様子も俺が想像していたものとは全く違った展開を見せていて動揺する。そんな俺の様子を悟ったのか、間島はにこやかに笑って藍田くんに向き合いながら俺に視線を向けた。
「僕はここに来て学びたいことがたくさんあったんですよ。だから吸収できるものは全て吸収して帰るという気概で毎日励んでいただけです」
「それは間島くんの言い分であって、僕は就業時間外まで職員を拘束しないでほしいと伝えたよね。この忠告はもう何回目になるかな」
「だって時間には限りがありますから。僕がここにいられる期間は決まっているでしょう?」
「君は充分優秀じゃないか。研修終了後のレポートはさぞ充実したものになるだろうね。それこそ、僕らと一緒に学ぶことなんてもう皆無と言っていいくらいに」
「そんなことはないですよ。ここは国の最高峰機関です。僕の職場とは比べものにならない」
「またまたご冗談を。そもそも超能力医療を志しているのなら国内だけじゃなく国外にも目を向けた方がいいんじゃないかな。君のレベルだと引く手数多でしょう」
「いえ、僕なんてまだまだですよ。だからここで勉強できて本当に嬉しいんです」
「……本当に君とは何の話をしても全くキリがないな。それだけ優秀ってことですね」
「お褒めにあずかり光栄ですね」
今にもバチバチと火花が飛びそうな舌戦に若干引きつつも、このままだと本当に喧嘩でもおっ始めかねないと恐る恐る二人の間に入った。
「……ちょっと待て。全く意味がわからん」
話の全貌どころか二人が一体何の話をしているのかすら掴みきれない。そもそも俺は間島くんがどんな男か知るために話をしたかったんじゃなかったか。それなのにどうしてここのスタッフの残業の話になってるんだ?
困惑を隠すこともできず表情に出してしまっていたらしく、藍田くんは間島に向けていた険しい顔を一旦引っ込めて渋い顔を浮かべた。
「あー、その、つまりですね……間島くんは我々に時間外労働を強いていたんですよ。学びたいという大変ご立派な意欲を盾にしてね」
「相変わらず酷いなぁ。僕は時間外労働を強要したつもりはありませんよ。もしお手隙の方がいらっしゃったら教えていただきたいと言ったまでで」
「そこが君の狙いだろう? 僕らはそんなに甘くないよ」
また始まってしまったバチバチと火花散る応酬に眉を寄せつつ、交わされた内容から全容を把握しようと試みる。
ここのところの残業多過ぎ問題の原因は間島が勉強熱心だからってこと?
だけど何かそれには裏があるっぽい?
でも結局、紫穂ちゃんも同じことを言ってはいたからやっぱり間島が勉強熱心すぎたのが根本原因ってことか?
「……まだ全然話が見えてねぇんだけど……やっぱり俺が間島くんの相手してればよかったんじゃないか?」
「だから! それは何としても避けなければならないんですよ!」
キィィィ! とヒステリーじみた叫び声を上げた藍田くんは、普段の姿とはあまりにもかけ離れていて、疲労とストレスが限界まで達していることが察せられる。
オイ間島、一体そこまでして何を学ぼうとしたんだよ。
ウチは確かに優秀なスタッフが揃ってはいるから、地方から来た間島が貪欲になるのも仕方がないと思う。
アレ? でも間島って紫穂ちゃんの同期だし出身も確かこっちだったハズだよな? なんで地方で勤めてるんだ?
考えれば考える程浮かんでくる疑問に首を傾げていると、賑やかで軽快な電子音が部屋のなかの空気をぶち壊した。
「ああああクソ今このタイミングで……すみません、家内からです。ちょっと出ていいですか」
「え、いいぞ。ゆっくりどうぞ」
「スミマセン……間島くん、絶対にその場から一ミリたりとも動くんじゃないよ」
いいね! としっかり念押しして藍田くんは会議室を出たすぐ側のところで通話を始めた。ドアの向こうにいる藍田くんの様子を窺っていると、カタン、と物音がする。何の音だろうと振り向くと、斜め前に座っていたはずの間島が俺の隣、藍田くんが座っていた席に腰掛けてこちらをじっと見つめていた。
「え、なに、なんで」
「フフ、そんなに驚かないでください。そんなに警戒されると流石の僕も傷ついちゃいます」
間島はうっとりとした表情で俺の顔を見つめて身を乗り出している。じわじわと縮まっていく距離に本能が危険信号を鳴らしてガタリと椅子の音を立てながら立ち上がろうとした。それを察知した間島はニコリと微笑んで俺の膝とテーブルに置いていた手をしっかりと押さえつける。
「三宮を倒せば、貴方に会えるという僕の目論見は間違いなかった」
「は? え? お前何言ってんの?」
やだ何かコワイ! と背中に流れる冷や汗を必死にひた隠して、何とか間島と距離を取ろうと身体を動かす。
「無理に動こうとしても無駄ですよ。あなたも医者ならわかるでしょう?」
「そんなこと言われてもな! っていうかお前こそそこを動くなって言われてたじゃん!!!」
「僕はいいんです。貴方さえ手に入れば他はどうとでもなるんだから」
「いやホントに何言ってるか意味がわかんないんだけど!」
「お慕いしています、賢木修二先生。貴方を追いかけて、僕は遠路はるばるこちらへ戻ってきました」
ゾクリと本格的に背筋が震えだした。どんどん近付いてくる顔に怖じ気づいて拘束されていない手で間島の肩を押し返すと、間島は、困った人だ、と小さく呟いて俺の膝に乗り上げた。ひぃ、と声を上げる間もなく、身動きを封じられてしまった俺はただただ怯えた目で間島を見上げるしか為す術がなかった。
「抵抗なんてしないでください。じきに僕のことしか考えられなくしてあげますから」
「や、やめ」
「そんな顔しても可愛いだけですよ。さぁ、目を閉じて」
んなもん言われたからって大人しく目を閉じたりするかー! と大声で叫んで逃げ出してしまいたいのに、身体は恐怖で硬直してしまっている。間島の指が俺の顎先を掬い上げて弓形に曲がった目が俺を見つめてくる。
こういうのは俺みたいなイケメンだけに許された行為なんだよバカヤロー!
無駄な抵抗と知りつつ、近付いてくる顔から少しでも逃れようとぎゅっと目を瞑った瞬間だった。
「確保ーッ!!!」
「ぎゃっ」
ガン! ととてもドアが開いたとは思えない音と同時に何かが飛んできて間島の身体を覆う。そしてすかさず放たれた電撃に間島は後ろに倒れ込んだ。同時に、バタバタと複数の武装した職員が会議室に飛び込んできて間島を縛り上げていく。ウチのナースたちはみんな強いとは思っていたけれど、まさか非常時の訓練まで積んでいるとは知らなかった。いや、それよりも、だ。
「し、紫穂……お前、まだソレ持ってたんだな?」
「今話すことじゃないでしょ、それ。ホントバカみたい」
最後の力を振り絞ってこの場に駆けつけてくれたのか、紫穂ちゃんは愛銃を構えたままヘナヘナとその場にしゃがみ込んだ。見るからに顔色も悪く、肩で息をしている紫穂ちゃんに慌てて駆け寄って抱き寄せると、ぐったりとした身体を紫穂ちゃんは俺に預けて、ふぅぅぅ、と深く息を吐いた。
「何もされてない? 薬は盛られた? 先生のお尻は無事?」
ハァハァと息を切らせたまま矢継ぎ早に紫穂ちゃんは俺に問い掛けてくる。その内容に、薄ぼんやりとしていた頭がやっとハッキリして、やっぱり俺は間島に襲われそうになっていたんだと思わず身震いした。
「あ、あぁ……もうちょっとでキスされそうだったけど、何とか無事だ」
いやマジで危なかった、と今になって冷や汗がドッと溢れてくる。俺の言葉にゆるりと頭を上げた紫穂ちゃんは、今にも泣きそうなぐしゃぐしゃの顔をしてぎゅっと俺の胸元を力無い指で掴んだ。
「ばか。しゅーじのばか。なんでそんなに鈍感なのよ」
もう一度、ばか、と呟いた紫穂ちゃんはそのまま、きゅう、と意識を失ってしまう。本当に限界の限界を超えてしまったんだろう、血の気の引いた真っ白な顔が痛々しくて紫穂ちゃんの身体をぎゅっと抱き締める。
「ごめん。ホントごめん。なんかもう、本当にごめん」
ご指摘の通り、本当に俺は鈍感だった。藍田くんが言っていた、紫穂ちゃんは俺を守るために行動している、ということの意味を今になって理解する。紫穂ちゃんはずっと俺に被害が及ばないよう、それこそ命を懸けて尽力してくれていた。何も知らず、のうのうとしていた馬鹿は俺だった。二人の仲を疑ってる場合なんかじゃなかったんだ。
「みんなスマン。俺が本当に馬鹿だった。こんなん、何も知らなかったじゃ済まされねぇよ」
「……そんなことありません。知っていたら、部長は間違いなくご自身で対処されていたでしょう? そんなことになったら彼の思うつぼですし、我々もそれだけは一番避けたい事態だった。我々全員が、望んで部長には何も知らせないことを選択したんです」
ウチのスタッフは優秀ですからね、と戻ってきた藍田くんが苦笑いを浮かべて俺の横に腰を下ろした。そしてぐったりした表情を浮かべて項垂れてしまう。
「それより、一瞬の電話の隙で行動に出るとは……僕が甘すぎました。申し訳ありません」
ドアの側で電話してるだけじゃ意味なかったですね、と落ち込んだ様子を見せる藍田くんに首を振って君は悪くないと訴えた。
「いや。俺もワケがわからんうちにあんな状況になったのは無防備すぎた。自分の身に危険が迫ってるなんて思いも寄らなかったんだよ。だからあんま気にすんな」
さっき紫穂ちゃんに鈍感って怒られた、と苦笑いして返すと藍田くんも苦笑いを浮かべていた。そして取り押さえられた間島にキツい目を向けながら、スタッフたちに指示を出して場の収束へと動き始める。駆けつけた警備員に間島を引き渡してから、藍田くんはゆっくり振り向いて申し訳なさそうに笑った。
「……賢木部長。紫穂先生をどうかよろしくお願いします。一番頑張ってくれてましたから。ゆっくり休養させてあげてください」
明日以降のシフトも僕たちで何とかしますんで、と続けた藍田くんに、今回はみんなに甘えさせてもらうよ、と頭を下げた。
「来て早々悪いが、今日は紫穂と一緒に帰らせてもらうよ。何かあったらすぐに連絡くれ」
「こっちは大丈夫です。僕らにお任せください」
諸悪の根源がいなくなったんですから問題ないですよ、と藍田くんは笑っている。いくら現場から離れていたとはいえ、ここまで間島が悪影響を与えていたことに気付かなかったのは本当に愚かだ。上司失格だな、と自ら反省しつつ場を任せて帰る準備に向かった。一旦紫穂をさっきまで寝かせていた仮眠室に預けて荷物を取りにロッカーへ向かう。その道中でスマホを確認すると、皆本からの返事が入っていることに気付いてそのまま電話を掛けた。
「……あー、もしもし? 皆本? 悪い、車出してくんねぇかな?」
すぐに繋がった電話の向こうで、皆本は少しだけ焦った様子で紫穂の容体を尋ねてくる。もういつでも車は出せるよ、と相変わらずの仕事の速さに感謝しつつ、自分も急いで帰宅準備を整えていく。
「……今は眠ってる。車で話すよ、早くベッドで寝かせてやりたい」
皆本からエントランスまで迎えに行くよという申し出を有り難く受け取って、気持ちを切り替え急ぎ足で紫穂を迎えに向かった。
コメントを残す